<p><strong>父親であることを知らなくても、父親は父親</strong></p> <p>再会がある。
二つの再会だ。
<br /> 最初に男同士の再会があり、そこである疑問が浮かび<br /> そのことの確認も含め、2度目は男と女の再会がある。
<br /> そこで明らかになったこと。
<br /> それは子供の存在であり、そのことを自分が知らせてもらえなかったことであり、<br /> さらにジェンダーもからみ、ニューヨークと日本の差もあり、<br /> そして何より、彼女の生き方のことがある。
<br /> ケンカや怒号や訴訟があってもおかしくない場面だろう。
<br /> しかし片岡義男の小説でそれはありえない。
<br /> 代わりにそこにあるのは……<br /> そう。
雨のなかの日時計だ。
</p> <p><strong>【著者】</strong><br /> 片岡義男<br /> 1939年東京生まれ。
早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。
75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。
ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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